精神科に特化した訪問看護ステーションでの支援のひとつとして、クライシス・プラン(CP-J)は欠かせない存在です。クライシス・プランは、ご利用者が不調に陥ったときにどのように対処すれば良いかを事前に整理しておく計画書のことです。

このクライシス・プラン、ただ内容を詰め込むだけではなく、その「タイトル」にもご利用者自身の思いや個性を反映させることがとても大切です。今回は、そんなタイトルの決め方のコツを紹介します。

◎なぜタイトルが重要なのか?

クライシス・プランは、ご利用者が「いざというとき」にすぐ手に取るべきものです。そのため、タイトルはご利用者にとって親しみやすく、直感的に「自分に必要なもの」だと感じられるものである必要があります。

例えば、「〇〇プラン」というタイトルが、自分の好きな言葉や安心感を与えてくれるフレーズであれば、クライシス・プランがより身近な存在になります。反対に、形式的で事務的なタイトルだと、緊急時に手に取る気持ちが薄れてしまう可能性もあります。

◎タイトルを決めるコツ

タイトルを決めるときのポイントをいくつか挙げてみます。

1.ご利用者の好きな言葉や価値観を取り入れる

ご利用者がよく使う言葉や、大切にしている価値観をタイトルに反映することで、親しみやすさが増します。例えば、「安心プラン」や「希望プラン」などはシンプルですが気持ちが伝わるタイトルです。

2.ポジティブなイメージを大切にする

危機的な状況を想定する計画であるからこそ、明るく前向きなイメージのタイトルにするのもおすすめです。たとえば、「大丈夫プラン」や「笑顔プラン」などは、危機の中でも安心感を与えるタイトルです。

3.ご利用者に響くテーマを一緒に考える

ご利用者が好きな趣味や好きな言葉を取り入れるのも効果的です。例えば、自然が好きな方であれば「青空プラン」や「木漏れ日プラン」、音楽が好きな方なら「メロディープラン」なども良いでしょう。

◎タイトルの例

以下は、実際にご利用者と話し合いながら生まれたタイトル例です。

「安心プラン」

「笑顔プラン」

「大丈夫プラン」

「青空プラン」

「おだやかプラン」

「未来プラン」

「絆プラン」

「キラキラプラン」

「サポートプラン」

「シンデレラプラン」

いずれもご利用者の個性や感性が反映されたタイトルです。これらのタイトルがあるだけで、クライシス・プランがご利用者にとってぐっと身近なものに感じられるでしょう。

◎一緒に考えるプロセスが大切

タイトルを決める際には、訪問看護師が一方的に提案するのではなく、ご利用者と一緒に考えることが重要です。ご利用者の言葉や思いを丁寧に聞き取りながら、「これだ!」と感じるものを一緒に探していく過程が、信頼関係を深めることにもつながります。

◎まとめ

クライシス・プラン(CP-J)のタイトルは、ただの名前ではなく、ご利用者の安心や希望を形にする大切な要素です。「自分だけのプラン」を感じられるようなタイトルを一緒に考えることで、プラン自体がより実効性のあるものとなります。

ハピネス訪問看護ステーションでは、ご利用者とのコミュニケーションを大切にしながら、その人らしい素敵な「〇〇プラン」を作り上げていきたいと思います。