ハピネス訪問看護ステーションでは、利用者さまの権利擁護と虐待防止に向けた取り組みの一環として、スタッフ研修を実施しました。この研修は、利用者さまの安全と尊厳を守るための知識やスキルを深めるだけでなく、スタッフ間での意識を高め合うことを目的としています。
今回の研修では、現場で起こりうる具体的な2つの事例が提示され、それを基にグループワーク形式でディスカッションを行いました。それぞれの事例について話し合い、解決策を模索する過程で、スタッフ一人ひとりが新たな気付きを得られるよう設計された内容です。
例えば、ある事例では「利用者さまが家族にネグレクトを受けている可能性に気づいたケース」をテーマに取り上げました。このような場合に、訪問看護師としてどのような対応が求められるのか、またどのようにして利用者さまの権利を守ることができるのかについて意見を交換しました。現場の経験が豊富なスタッフからは具体的な対応策や心構えについての実践的な意見が出され、新人スタッフにとっても学びの多い時間となりました。
もう一つの事例では、「利用者さまへのご家族の対応が無意識のうちにハラスメントや権利侵害につながる可能性があるケース」を検討しました。このテーマについての話し合いでは、利用者さまやご家族の置かれている状況を深く理解し、言動や態度がどのような影響を与えるかを再認識する良い機会となりました。訪問看護の現場では、利用者さまやご家族との信頼関係を築くことが最優先であり、そのためには細心の注意を払った対応が求められるという共通認識が生まれました。
◎他ステーションとの連携で広がる視点
また、本日の研修には神戸市垂水区にある訪問看護ステーションaiのスタッフの皆さまも参加してくださいました。異なる事業所のスタッフ同士が一緒に事例を検討することで、これまで気づかなかった視点や意見が交わされ、より多角的な議論が展開されました。
特に印象的だったのは、「訪問看護におけるチーム連携の重要性」についてのお話です。複数の専門職が協力し合うことで、利用者さまにとって最適なケアを提供できる可能性が広がります。そのためには、訪問看護師が一人で抱え込むのではなく、地域全体で支え合う意識が大切だという点が再確認されました。今回のような他ステーションとの合同研修を通じて、地域の訪問看護ステーション同士の連携がさらに強化されることを実感しました。
◎今後の展望
ハピネス訪問看護ステーションでは、今回の研修を通じて得られた知識や気付きを、日々の業務に活かしていきたいと考えています。また、今後も定期的に研修を実施し、スタッフ一人ひとりが専門性を高めるとともに、利用者さまの安心・安全な生活を支える力を養っていきます。
さらに、他ステーションとの連携を深めることで、地域全体の訪問看護の質を向上させる取り組みを進めてまいります。今回の合同研修は、その第一歩として非常に有意義な機会となりました。
私たちは、利用者さまの権利が守られ、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、これからも努力を重ねてまいります。