12月6日、大阪市にある訪問看護ステーションライト様にて、当ステーション訪問看護事業部長の中村が「精神科訪問看護の基本」をテーマに研修を行いました。今回の研修は、精神科訪問看護に携わるスタッフの皆さまに、実際の現場で役立つ基礎知識やスキルをお伝えするとともに、この分野で働くうえでの心構えを共有することを目的としたものです。精神科訪問看護の実践には、専門的な知識はもちろん、ご利用者やご家族との信頼関係を築くためのコミュニケーションスキル、そして柔軟な対応力が欠かせません。今回の研修では基本に立ち返り、スタッフの皆さまが日々の業務の中で自信を持って対応できるようサポートするような内容となりました。

研修では、まず精神科訪問看護の意義や特徴についてお話ししました。精神科領域の訪問看護は、医療的ケアの提供だけでなく、ご利用者の生活の質(QOL)を向上させるための支援が求められます。そのため、スタッフはご利用者の生活背景や精神状態を深く理解し、一人ひとりに寄り添った対応を行うことが重要です。特に、ご利用者が安心して生活できる環境を整えることや、社会復帰や家庭内での役割を果たすための支援が大きな目標となります。

次に、精神科訪問看護における基本的なマインドセットについて共有しました。ご利用者の中には、不安や孤独を抱えている方も多く、時にはコミュニケーションが難しいケースもあります。そのような場面では、スタッフ自身が「聴く姿勢」を大切にし、相手の言葉や表情、しぐさから気持ちを汲み取る努力が必要です。また、ご利用者が少しでも自分自身を肯定できるよう、ポジティブな関わりを意識することが重要です。このようなマインドを持つことで、ご利用者との信頼関係が築きやすくなり、看護の質をさらに向上させることができます。

さらに、具体的なコミュニケーションスキルについても解説しました。例えば、ストレングスアセスメントや共感を示すフィードバックの方法、適切なタイミングでの声かけなど、日々の訪問看護の中で実践できるスキルを詳しくお伝えしました。こうしたスキルは、ご利用者だけでなく、スタッフ間や地域の関係者との連携を円滑にする上でも役立ちます。

研修の最後には、参加されたスタッフの皆さまと自然と意見交換の場が生まれました。それぞれが普段の業務で抱える課題や悩み、逆にうまくいっている事例などを共有し合う中で、皆さまが看護やリハビリに対して抱いている熱意を強く感じることができました。特に「ご利用者の生活をよりよくするためにはどうすればいいのか」といった具体的な議論が交わされ、非常に有意義な時間となりました。

ハピネス訪問看護ステーションは、精神科に特化した訪問看護ステーションとして、これまでも全国のステーションと連携しながら、精神科看護の質の向上に取り組んできました。今回のような研修を通じて、他のステーションのスタッフの皆さまと学び合い、共に成長できる機会を大切にしています。精神科訪問看護はご利用者にとって大きな支えとなる重要なサービスです。そのため、現場でスタッフの皆さまがより高いスキルを身につけ、自信を持って業務に取り組めるよう、これからも研修やサポートを積極的に行っていきたいと考えています。

訪問看護ステーションライトの皆さまの真摯な姿勢や情熱に触れることで、精神科訪問看護の可能性を再確認するとともに、私たち自身も改めて使命感を感じました。今後も引き続き、精神科訪問看護の発展に寄与できるよう努力を続けてまいります。