ハピネス訪問看護ステーションは毎週木曜日にスタッフ全員が集まり、カンファレンスや研修を行っています。本日は、訪問看護ステーションにおける身体拘束廃止・防止に関する研修が行われました。
訪問看護ステーションが身体拘束の廃止・防止に取り組む必要性には、以下のような理由があります。
1. 人権の尊重と倫理的配慮
身体拘束はご利用者の自由や尊厳を侵害する行為とされています。訪問看護ステーションは、地域で生活するご利用者の尊厳を守りながらケアを提供する役割を担っています。そのため、身体拘束を廃止・防止する取り組みは人権尊重の観点から不可欠です。
2. 精神的・身体的な悪影響の防止
身体拘束は、ご利用者に以下のような悪影響を及ぼすことがあります:
• 精神的影響:不安、抑うつ、トラウマ等
• 身体的影響:筋力低下、褥瘡、循環器系への負担等
これらのリスクを回避するためにも、身体拘束に頼らないケアの方法を模索することが重要です。
3. ご利用者の生活の質(QOL)の向上
訪問看護は、ご利用者が自宅や地域でできる限りその人らしい生活を送ることを支援するものです。身体拘束を避けることで、ご利用者がより自由で安心した生活を送れるようになり、生活の質の向上につながります。
4. ケアの質の向上
身体拘束に頼らず、安全を確保するためには、スタッフの観察力や技術力、ご利用者やご家族との信頼関係が重要です。身体拘束を避けるための取り組みは、スタッフ全体のスキル向上やチームワークの強化にもつながり、結果的にケア全体の質を高めることができます。
5. 法的・社会的責任
日本では、身体拘束の適用は「やむを得ない場合」に限られるという厳しい条件があります。また、社会全体で身体拘束の廃止が求められている中、訪問看護ステーションもその一翼を担う必要があります。地域で活動する専門職として、倫理的にも社会的にも身体拘束の防止に積極的に取り組む姿勢が期待されています。
6. ご家族や地域社会の信頼獲得
身体拘束をしない方針を示すことで、ご利用者のご家族や地域社会からの信頼を得ることができます。「安全」と「尊厳」を両立させるケアの実現は、ステーションの価値を高めることにつながります。
ハピネス訪問看護ステーションは、ご利用者一人ひとりに寄り添いながら拘束に頼らない安全なケアを提供することで、地域の精神科医療・福祉の向上に貢献したいと考えています。