ハピネス訪問看護ステーションは、神戸市を拠点とする精神科に特化した訪問看護ステーションです。私たちは、精神疾患を抱える方が地域で自分らしく生活できるようサポートを行っており、その中でも「クライシス・プラン(CP-J)」を積極的に活用しています。
クライシス・プランは、利用者さん自身が精神的な不調や危機に対処する方法を事前に明確にしておくことで、精神状態が不安定になった際に適切な対処ができるようになるツールです。特に、就労や就労定着を目指している方にとって、自分の状態を理解し、適切にサポートを受けるための手がかりとなります。

2025年3月25日、ハピネス訪問看護ステーションの中村が、生活協同組合コープこうべの特例子会社である『阪神友愛食品株式会社』様にて、障がい者の雇用をサポートする職員の皆さまに向けてクライシス・プランの勉強会を行いました。『阪神友愛食品株式会社』様は1986年の設立以来、さまざまな障がいを持つ仲間が力を合わせて自立した暮らしを築き、地域に貢献することを目指している第3セクターの会社です。知的障がいのある方々のための職業訓練を行う「能力開発センター」を併設し、障がいを持つ方々が地域社会で安定して働き続けられるよう支援しています。

今回の勉強会は、能力開発センターの職員の皆さまを対象に、ワークショップ形式で行いました。中村は、クライシス・プランの基本的な考え方や構造について解説し、その後、職員の皆さまに「自分自身のクライシス・プラン」を作成してもらいました。実際にプランを作成することで、クライシス・プランがどのような役割を果たすのか、そして作成時にどのようなポイントに注意すべきかを体感していただくことが目的です。
クライシス・プランでは、「自分が不調になったときにどのようなサインがあるか」「そのときにどのような対応が効果的か」「誰に助けを求めるか」などを具体的に記載します。自分の状態やサポート方法を可視化することで、精神的な不調や危機的な状況に陥ったときに適切なサポートを受けられるようになります。また、他者に自分の状態を理解してもらいやすくなるため、職場での人間関係の安定や円滑なコミュニケーションにもつながります。
参加された職員の皆さまは、初めてのクライシス・プラン作成に最初は戸惑っている様子もありましたが、進めるうちに「自分の強みや弱みを見直す良い機会になった」「自分が困ったときにどう対応すればよいか明確になった」といった声が聞かれました。また、完成したクライシス・プランをお互いに共有することで、「そんな視点があったのか」「自分にはなかった考え方を知ることができた」などの気づきが生まれ、職員同士のコミュニケーションも自然と活発になりました。
さらに、「クライシス・プランを作成することで、普段あまり意識していなかった自分の強みに気づいた」「不調のサインを具体的に言語化することで、自分の状態を冷静に見つめられるようになった」という感想もありました。この体験を通して、今後、障がいを持つ方と一緒にクライシス・プランを作成する際に、どのようにサポートすればよいかをイメージしやすくなったようです。

今回の勉強会をきっかけに、阪神友愛食品株式会社の職員の皆さまがクライシス・プランを活用しながら、障がいを持つ方々の安定した就労をサポートできるようになることを期待しています。また、クライシス・プランを導入することで、障がいを持つ方が自分の状態を理解し、適切な対応が取れるようになるだけでなく、職員の皆さまもその方の状態に応じた支援がしやすくなると考えています。
ハピネス訪問看護ステーションでは、今後も働く障がい者の方々が安定した就労を続けられるよう、地域の企業や支援機関との連携を強化していきます。今回のような勉強会を通じて、クライシス・プランの有効性を広めるとともに、障がい者支援に関わる方々が現場で役立てられるようサポートを続けていきたいと考えています。
ハピネス訪問看護ステーションでは、クライシス・プランの導入や活用に関心がある企業や団体への勉強会も随時受け付けております。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
