神戸市を拠点とする精神科に特化したハピネス訪問看護ステーションでは、クライシス・プラン（CP-J）を積極的に活用し、地域連携を促進する取り組みを行っています。クライシス・プランは、精神的な不調や危機を予防し、支援者と利用者さんが協力して適切な対応を取るための重要なツールです。今回の記事では、ハピネス訪問看護ステーションにおけるクライシス・プランの活用方法や、地域連携の取り組みについて詳しくご紹介します。
◎クライシス・プラン（CP-J）とは？
クライシス・プラン（CP-J）は、精神的な不調や危機が発生した際に、本人がどのような状態になるのか、どのような支援が有効かを事前に整理し、関係者と共有するために作成します。これによって、利用者さん本人だけでなく、訪問看護師や医療・福祉関係者、家族などが統一した対応を取ることが可能になります。
◎クライシス・プランの主な内容
• 不調・危機のサイン（本人に見られる変化）
• 有効な対応方法（落ち着くための手段、必要な支援）
• 避けるべき対応（悪化を防ぐための注意点）
• 緊急時の連絡先（医療機関や支援者の情報）
このように、事前に情報を整理しておくことで、不調や危機の際の対応がスムーズになり、精神的な負担を軽減できます。
◎ハピネス訪問看護ステーションのクライシス・プラン活用方法
ハピネス訪問看護ステーションでは、クライシス・プランを単なる記録としてではなく、地域連携を促進するコミュニケーションツールとして活用しています。
1. 関係機関への情報共有
ハピネスでは、作成したクライシス・プランを関係機関（医療機関、福祉サービス事業所、学校、企業など）と共有し、利用者さんが継続的に適切な支援を受けられる環境づくりを行っています。訪問看護師だけでなく、医師や相談支援専門員、ケースワーカー、ケアマネージャー、学校の先生、企業の担当者などと連携し、支援の一貫性を保つことを重視しています。
2. サービス担当者会議・ケア会議での活用
訪問看護の現場では、サービス担当者会議やケア会議が定期的に行われます。これらの場でクライシス・プランを活用することで、支援者間の共通理解を深め、より実践的なケア方針の検討が可能になります。特に、以下のような点で活用されています。
• 本人の希望に沿った支援の確認
• 過去の危機対応の振り返りと改善点の共有
• 新たな支援計画の策定に役立てる
3. クライシス・プランの勉強会・ワークショップの開催
ハピネス訪問看護ステーションでは、地域の支援機関や専門職向けに、クライシス・プランに関する勉強会やワークショップを定期的に開催しています。これにより、支援者がクライシス・プランを適切に活用できるようになり、地域全体の支援力向上に貢献しています。
特に、以下のような内容を学ぶ機会を提供しています。
• クライシス・プランの作成方法
• 具体的な活用事例の紹介
• 実践的なワークを通じた理解促進
こうした取り組みにより、支援者が実際の現場でクライシス・プランを活用しやすくなることを目指しています。
◎”日本精神科訪問看護協会×ZEST”オンラインセミナーにてハピネスの取り組みを発表
ハピネス訪問看護ステーションの取り組みは、業界内でも注目されています。
2025年3月14日（金）に開催される”日本精神科訪問看護協会×ZEST”オンラインセミナーでは、当ステーションの中村が登壇し、クライシス・プランの活用と地域連携についてお話しします。
このセミナーでは、
• ハピネス訪問看護ステーションの実践事例
• クライシス・プランを活用した地域連携の効果
• 地域連携の具体的な方法
などを詳しく紹介する予定です。精神科訪問看護の分野でクライシス・プランの導入を検討されている方、地域連携の強化を考えている方には、貴重な情報が得られる機会となるでしょう。
セミナーの詳細や申込は以下ご参照ください。
◎まとめ
ハピネス訪問看護ステーションでは、クライシス・プラン（CP-J）を活用することで、利用者さんがより安心して生活できる環境を整えるとともに、地域の支援者と連携を深めることを目指しています。
• クライシス・プランは、精神的な不調や危機の際の対応を明確にし、支援の一貫性を保つ重要なツール
• 関係機関との情報共有、サービス担当者会議・ケア会議での活用を推進
• 地域の支援力向上を目的に、勉強会・ワークショップを開催
• 3月14日の”日本精神科訪問看護協会×ZEST”オンラインセミナーにて取り組みを発表
今後も、精神科訪問看護におけるクライシス・プランの普及と活用の促進に努めてまいります。精神科訪問看護や地域連携に関心のある方は、ぜひ当ステーションの取り組みにご注目ください。
