神戸市拠点に精神科に特化した訪問看護を行っている「ハピネス訪問看護ステーション」では、日々ご利用者さんの暮らしに寄り添いながら自立への支援を行っています。その中でも大切にしているのが「地域全体のメンタルヘルスを底上げする」取り組みです。訪問看護だけにとどまらず、地域の支援機関と連携しながら、より広い視点でサポートを届けていくことを目指しています。
その一環として、4月21日(月)に『就労移行支援事業所アイ・ワークス西明石』様にて「働く人の自律神経の整え方」をテーマに講座を開催しました。

▶︎「働きたい」「働き続けたい」を支える、メンタルケアの視点
講座には、アイ・ワークス西明石をご利用中の方々と、日々支援を行っているスタッフの皆さま、地域の支援者さんたちが参加してくださいました。就労移行支援は、「これから働きたい」という方にとって大切なステップです。しかし、精神的な不調や不安が続くと、意欲があってもなかなか一歩を踏み出せなかったり、継続が難しかったりすることがあります。
実際に私たちが関わっている精神科訪問看護の現場でも、「自律神経の乱れ」による不調を訴える方が多くいらっしゃいます。不眠、体のだるさ、胃腸の不調、気分の落ち込み——こうした症状の背景には、自律神経のバランスが大きく関係していることも少なくありません。

▶︎講座の内容:自律神経を「知る・整える・続ける」
今回の講座では、まずは自律神経とは何かという基本的な知識からスタートしました。交感神経と副交感神経、それぞれの働きや1日のリズム、ストレスとの関係など、身近な例を交えながらお伝えしました。
その上で、日常生活の中で実践できるセルフケアの方法として、以下のような内容をご紹介しました。
• 深呼吸やストレッチの実践
• 規則的な生活リズムの重要性
• 朝の日光浴の効果
• 食事・運動・睡眠のバランスの整え方
• スマートフォンや情報との付き合い方
また、精神科訪問看護で私たちが実際に行っている関わりの例も紹介しながら、「自律神経のセルフケアは特別なことではなく、生活の中でできることから取り入れていける」ことをお伝えしました。

▶︎働き続けるための「自律神経ケア」
参加者の方々からは、
「緊張しやすい自分にとって、呼吸法はすぐに取り入れられそう」
「就職後も役立ちそうな内容だった」
「支援者として、ご利用者さんへの声かけのヒントになった」
といった声が寄せられました。
働くことには体力だけでなく、心のエネルギーも必要です。自律神経のケアを意識することは、就労を目指す方々にとって、そしてそれを支える支援者にとっても、重要な視点であると改めて感じました。

▶︎地域とともに、メンタルヘルスを支える存在でありたい
今回の講座を通して、就労継続のために自律神経のケアがいかに大切かを多くの方に知っていただく機会となりました。そして、精神科訪問看護が就労支援や生活支援の場とも連携できる存在であることも、少しずつ広がってきていると感じています。
今後もハピネス訪問看護ステーションでは、こうした地域連携の機会を大切にしながら、精神的な不調を抱える方々が安心して暮らし、働くことができる地域づくりを目指して活動を続けてまいります。
心と身体を整えるために、まずはできることから。わたしたちは、みなさんの「一歩」を応援しています。
