神戸市を拠点とする精神科に特化したハピネス訪問看護ステーションでは、クライシス・プラン(CP-J)を積極的に活用した支援を提供しています。クライシス・プランとは、精神的に不安定な状態や危機的な状況に陥った際に、自分自身で適切に対処するための手順やサポート体制を事前にまとめておく計画書。ハピネス訪問看護ステーションでは、利用者さんが自立した生活を送るために、このクライシス・プランを重要なツールとして位置づけており、地域の医療機関や福祉施設と連携しながら支援を行っています。

このたび、2025年3月6日に神戸市中央区にある自立訓練(生活訓練)事業所Basic academy様にて、通所されている利用者様を対象にクライシス・プランのワークショップを開催しました。本記事では、ワークショップの内容や参加者の反応、クライシス・プランの効果について詳しくご紹介いたします。

▶︎クライシス・プラン(CP-J)とは?

クライシス・プラン(CP-J)は、精神的な不調や緊急時に自分自身や周囲の人が冷静に対応できるように作成する計画書です。クライシス・プランに記載する内容は以下のような項目です。

• 自分が不調に陥るきっかけやサイン

• その際に試みる対処方法

• 緊急時に頼れる人の連絡先

• 自分が避けたい状況や対応方法

クライシス・プランを作成することで、自分自身の状態を理解しやすくなり、不調時に冷静に対応できるようになります。また、家族や支援者も適切なサポートがしやすくなるため、本人と周囲の人々双方にとって大きなメリットがあります。

▶︎Basic academy様でのワークショップの様子

今回のワークショップは、利用者様自身が自分の状態や不調のサインを理解し、適切に対処する方法を見つけることを目的として行われました。

▶︎ワークショップの進行内容

1. クライシス・プランの説明

初めに、クライシス・プランの目的や重要性についてスライドを用いて詳しく解説しました。「なぜクライシス・プランが必要なのか」「どのように作成するのか」といった基本的なポイントを説明することで、参加者が理解しやすいように工夫しました。

2. セルフモニタリングの実践

次に、参加者それぞれが「自分が不調になるきっかけ」や「気持ちの変化に気づくサイン」を振り返る時間を設けました。スタッフが一人ひとり丁寧にサポートしながら、自分自身の状態を振り返ることに集中していただきました。

3. 具体的な対処方法の検討

その後、実際に不調時に試みる対処法を考えました。呼吸法やリラクゼーション法、信頼できる人への相談など、自分に合った方法を見つけることで、実践可能な計画が作成できました。

4. 完成したクライシス・プランの共有

最後に、完成したクライシス・プランを他の利用者様に共有してもらいました。他の参加者のクライシス・プランを見ることで、新たな視点や気づきが得られる良い機会となりました。

▶︎参加者の声

ワークショップ終了後には、参加者から以下のような声が寄せられました。

• 「自分がどんなときに不調になるのかを知ることができて安心しました」

• 「学びになりました」

• 「自宅でもう一度振り返ってみます」

参加者それぞれが自分に合った方法を見つけることができ、自信を持って対応できるきっかけになった様子がうかがえました。

▶︎クライシス・プランを活用した地域連携

ハピネス訪問看護ステーションでは、クライシス・プランを通じた地域連携にも力を入れています。今回のようなワークショップや勉強会を通じて、医療・福祉機関と連携しながら、利用者様が安心して自立した生活を送れる環境作りを目指しています。

▶︎まとめ

今回のBasic academy様でのワークショップは、参加者にとって自分自身を理解し、適切な対処法を見つける良い機会となりました。ハピネス訪問看護ステーションでは、これからもクライシス・プランを活用した自立支援に取り組み、地域に根ざした支援を続けてまいります。