神戸市を拠点とする精神科に特化したハピネス訪問看護ステーションでは、地域の皆さまに精神科訪問看護について知っていただく活動に力を入れています。その一環として、2025年3月23日に就労移行支援事業所manaby三宮様と共同で『働く未来サポートフェス』を開催しました。このイベントは、精神障害を抱えながら就労を目指す方やそのご家族、支援者の方々に、就労移行支援や精神科訪問看護について理解を深めていただくことを目的に企画されました。

▶︎イベント開催の背景

精神障害を抱える方が就労を目指す場合、さまざまな課題に直面します。例えば、体調の波や人間関係への不安、職場への適応など、就労に向けた準備には専門的なサポートが必要となります。こうした課題を乗り越えるために、就労移行支援や精神科訪問看護が重要な役割を果たします。しかし、これらのサービスについて具体的な内容や支援の特徴を知る機会はまだ十分とは言えません。そこで、ハピネス訪問看護ステーションとmanaby三宮様が協力し、就労を目指す方やその家族、支援者が直接サービス内容を理解し、体験できるイベントを開催することになりました。

▶︎イベントの内容

当日は、manaby三宮様とハピネス訪問看護ステーションそれぞれブースを設置し、就労移行支援や精神科訪問看護に関する個別相談会を実施しました。manaby三宮様では、個々の特性や希望に合わせた職業訓練や職場への適応支援を行っており、参加者は実際に支援内容を聞き、具体的な支援の流れや内容を学ぶことができました。

また、ハピネス訪問看護ステーションからは冨山と中村が参加し、精神科訪問看護に関する説明や個別相談に対応しました。精神科訪問看護は、専門的な知識を活かして症状への対処を一緒に考えたり、規則的な服薬を継続するための支援や、対人関係のサポートなど、就労に向けた心身の安定を支える重要な役割を担っています。参加者からは「精神科訪問看護について具体的に知ることができた」「仕事を続けていくうえで役立つサポートだと感じた」といった声が聞かれました。

▶︎クライシス・プラン(CP-J)のワークショップ

イベント内で特に注目を集めたのが、中村によるクライシス・プラン(CP-J)のワークショップです。クライシス・プランは、精神的な不調や危機的な状況に陥ったときに、自分自身を守り安定した状態を取り戻すための具体的な対応策をまとめたものです。ワークショップには、当事者の方だけでなく、そのご家族や地域の支援者さんも参加してくださいました。なんと、神奈川県から参加してくださった支援者さんも。

ワークショップでは、参加者一人ひとりが自分自身のクライシス・プランを作成しました。まず、どのような状況になると精神的な不調となるのか、またそのサインはどのように現れるのかを振り返ってもらいました。そのうえで、不調になったときに有効な対処法や、支援を求めるべき相手、どのような言葉をかけてもらうと落ち着けるのかなどを具体的に書き出してもらいました。

参加者からは「自分にとって必要なサポートや対応策を整理できた」「困ったときにどう行動すればよいかが明確になった」といった声が聞かれました。また、他の参加者とクライシス・プランを共有することで、「自分だけが苦しんでいるのではない」「同じような課題を抱えている人がいる」と感じ、参加者同士の交流も深まりました。

▶︎今後の展望

ハピネス訪問看護ステーションでは、今回のイベントを通じて得た参加者の声を大切にしながら、今後も地域の皆さまに精神科訪問看護について知っていただく機会を増やしていきたいと考えています。特にクライシス・プランの活用については、就労支援だけでなく日常生活の安定にもつながるため、引き続き積極的にサポートを行っていきます。

また、就労移行支援事業所をはじめとした地域の医療・福祉関係機関、行政機関等との連携を強化し、利用者の皆さまが安心して働ける環境づくりに貢献していきます。今回のようなイベントを通じて、精神科訪問看護の重要性や支援内容を広く周知し、地域全体で支え合うネットワークを築いていくことを目指しています。

ハピネス訪問看護ステーションでは、これからも地域の皆さまとともに歩みながら、精神科訪問看護の普及と充実に努めてまいります。